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写真:支笏湖/およそ3万年前激しい火山活動で誕生したこの湖は秋田県の田沢湖についで国内で2番目の深度を誇り、透明度は生活水系の湖では日本一を誇るカルデラ湖。周囲には現在も火山活動を続ける樽前山があり、溶岩ドームも一見の価値がある。神秘の山々に囲まれた湖であった。

< 読者の皆様の反響にお答えして、いがらしゆみこさんのスローライフをご紹介します>

池のほとりに咲く水芭蕉
千歳空港から約1時間。北海道は札幌、手稲の町を眼下に見下ろすところにある、漫画家いがらしゆみこ先生のご自宅・アトリエを訪ねた。
懐かしい土の匂い、踏み締めた時の足の感触がコンクリートの地面とは違うあたたかさを感じる。

5月に差しかかった時期なのにさくらのつぼみはまだしっかりと堅く、ここが北の大地である事になんだかじんわり感動。「もう少ししたら、 咲くかな。この辺は春が短いから梅も桜も一緒の時期に競うように咲くんだよ。家のあたりは山だから、まだ雪が残ってるでしょ」。
大きな空、眼下に広がる町並みまで視界を邪魔するものは何も無い。 東京では考えられないとても贅沢な空間。


毎年大粒のサクランボがたわわに実る。
今年もよろしくね。
いがらし先生は3年前東京を離れ、故郷の札幌に活動の拠点を移した。総面積約300坪の広大な敷地にご自宅とアトリエを構える。
大家さんの手作りのアトリエは昔の電信柱を本柱に使い、階段の手すりなどには白樺の自然の風合いを活かしていて、アトリエという名前に相応しい作り。なんでも階段の手すりに使われた白樺は裏の山から切ったばかりのものを使ったらしく、暫くすると新芽が出て来て育ったそうだ。


裏山の雪解け水が池に流れ込む。水が清らかである事を示すように、水芭蕉が数多く自生している。


北海道文化放送
のりゆきのトークDE北海道に生出演

自然の中に身をゆだねた生活。自然の音を聴き、自然の営みを観る。その中からいがらし先生の作品が生まれている。

札幌在住の漫画家や芸術家は多い。美しい自然環境と住み良い社会環境がクリエイテイブの原動力なのだろう。
山の雪解け水が流れる滝、
敷地内に池は全部で3つ。
裏の山には熊もいます。
「今日は出そうだね」「うん、そんな気がする」という家族の会話に。。。。

いがらし先生は言う。
「北海道に来てから随分と気持ちが穏やかになった」
3年間の生活の中でいい人達と係わるようになって、気のおける仲間が出来て、その人達と過ごす時間が、心と感性をより大きく成長させてくれた。それが、家族や仕事とのかかわり方に反影されている感じがする。
東京での秒刻みの生活と全く反対の生活スタイル。

「気がつく事が多いよね。」自分を見直す事も沢山ある。違った環境にいるからこそ、違った切り口で自分自身も色々と考えられる。固定概念が外れたというか、そうすると逆に自分自身がどうあるべきか迷ったりと言う事も当然あるわけで、いい意味で頭の中がごちゃごちゃしていた。

窓辺のバードテーブルに
野鳥が餌を啄みに来た
でも考えるってとても大事。いいことも嫌な事も沢山経験したし、自分を見失いそうになるほど忙しい時や、いまの快適な北海道生活。両極端な生活を経験して来たからこそ、何がいいかがはっきり見えるようになった感じがする。
PM8:00頃。ごはんを食べにくるのは
いつも決まってこの時間









家族が元気、これがまず一番大事。
大空を見て、大地を見て気持ちがいいとか、清清しいとか感じられる自分でいられる努力をする事。
そして、社会における自分の役割を見つけていく。
仕事とかボランティアとかを通してね。
人間が作った価値なんて、自然界には通用しない。
どんなにお金を払ったって、雨の日は雨なんだよ。
世界中の人が1億円払って、全員で晴れるように願ったって雨が振る時は降るの。

AM3:40分。
朝焼け空と手稲町のネオンがとても幻想的
北海道は夕暮れが遅く朝焼けが早い
感覚をちゃんともって、世の中を見つめていければいいのかなって思う。
最近やっと自分のこれからの方向っていうのかな、漫画家としてやるべき事が見えて来た感じがする。
人間が心の扉を開こうとするとき 、その扉を人間自身でつくってあげられない時に漫画って存在してていいと思う。

「石の上にも三年」って古人はうまい事いうよね。
そんな風に落ち着いて物事を考えられるようになって、北海道に来て本当によかったって思う。

いがらしゆみこは一生漫画家。笑
北海道での出会いが、新しい作品作りへと繋がっている。
押し花アートのたけだりょうさんとのコラボレーション作品は、圧巻。今まで感じた事のない新しい世界観をつくり出している。
illustration :Yumiko Igarashi /pressed flowers:Ryo Takeda

画像をクリックすると拡大判が御覧になれます。
<お月様が湖畔を照らす静かな夕べに>
14夜の月と支笏湖
いがらし先生の友人でヴアイオリニスト杉田知子さんのリサイタルがあると言う事でご家族と共に一路支笏湖畔にある老舗旅館の丸駒へ向う。
白樺の原生林の間の道をひたすら走る。北海道で「近いよ、すぐ着く」はどうやら1時間らしい。。。
白い木肌がまっすぐと立ち並んでいる風景は、ここが日本であることを忘れ
国内外で活躍中の
ヴァイオリニスト杉田知子さん
させる力をもっている。
ほどなく行くと木々の隙間から湖が顔を覗かせる。山々に囲まれた巨大な湖、支笏湖。「巨大な水瓶」と言われる理由に納得。
14夜だったこの日は、月明かりを遮るもの物もなく、湖と周囲の山々を夜の闇から満面と照らし出していた。
美しく響くヴァイオリンの音色が、この景色と相俟ってうっとりするような幻想的な空間をかもし出していた。気取らず気張らずきけるクラッシックコンサート丸駒の支配人の粋なサービスに皆一様酔いしれる。


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