夏の盛りから山ではキノコが出番を控えている。里でもお盆のころからタマゴタケやナラタケモドキなどが雑木林の林床や切り株に点々と発生し、折々の食卓にのぼってくれるが、やはり天然キノコの本番は落葉樹の葉が色づき始めてからだ。マツタケなどの高級キノコはあちこち探し回ってもめったなことでは採れないが、市場に出回ることのない、しかもおいしいキノコが森にはたくさんあるのだ。
山小屋を建てた十数年前から、秋になると付近の林を駆け回ってきた。スギやヒノキの植林地、つまり人工林に出る天然のキノコはほとんどないので、シーズン始めにはモミやツガ、ミズナラの森、中盤以降にはマツの混じるコナラやカンバなどの自然の森が探索の中心地になる。
毎年10月半ばころには「キノコ祭り」と称して、友人知人を誘って天然キノコ採集に森を歩く。斜面を駆けずり回るので、足まわりを整え、帽子をかぶり、肩には小籠をかけ、手ぬぐい軍手で身を固め、大人も子どももいっぱしのキノコ採りのプロのようなかっこうでいざ出発。森に入ればあちこちから、「あったぞー」「見つけたー!」「これなーに?」「すごいー、やったー!」という歓声、嬌声、叫び声がこだまする。 |
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